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作品の表題
茨木
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役名
茨木
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コマ絵
初世 市川左團次の 渡辺綱
解説
河竹黙阿弥による舞踊劇。羅生門の鬼神伝説に取材、能にはない曲を能形式の松羽目物(まつばめもの)に仕立てたもの。本図はその初演。渡辺綱(わたなべのつな)のもとへ伯母・真柴(ましば)が訪ねてくるが、物忌み(凶事や不吉を避けるために謹慎すること)のため面会を断る。真柴はわざわざ訪ねてきたのにつれないと嘆くので、綱は情にほだされ家に入れてしまう。しかし、都を荒らし、羅生門で片腕を斬られた茨木童子が伯母に化けていたのだった。綱に斬られた左腕を隠し、故郷の四季を歌った舞を舞うのが見どころとなり、箱の中を見込み、腕を掴んで凄味を見せる。後半に茨木は正体を明かし、綱との激しい立ち回りの末、飛び去っていく。