-
作品の表題
積戀(恋)雪関扉 (つもるこいゆきのせきのと)
-
役名
墨染(傾城墨染実は小町桜の精) すみぞめ
-
コマ絵
九世 市川團十郎の 関兵衛(関守関兵衛 実は 大伴黒主)
解説
舞台は、小町桜が咲き誇る雪の逢坂の関(おおさかのせき)。樹齢三百年の桜の花は薄墨色。天皇の菩提を弔う良峰少将宗貞(よしみねのしょうしょうむねさだ)のもとに、恋人・小野小町姫(おののこまちひめ)が訪ねてくる。関守・関兵衛(せきべえ)の怪しげなふるまいや、飛来した鷹の知らせで弟の死を知った宗貞は、小町姫を朝廷方に遣わす。関兵衛は、盃に映る星を見て、謀反の好機到来と悟り、まじないをするために桜の樹を切ったところ、中から桜の精が現れる。かつて宗貞の弟と契りを交わした傾城・墨染(すみぞめ)の霊で、関兵衛が天下を狙う大悪人の大伴黒主(おおとものくろぬし)であると暴き、その野望を阻むのであった。