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作品の表題
水天宮利生深川 (すいてんぐうめぐみのふかがわ)
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役名
筆師幸兵衛
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コマ絵
初世 市川左團次の 車夫三五郎
解説
旧幕臣・船津幸兵衛は、明治維新により没落士族となり、筆を売って細々と暮らしている。妻に先立たれ、盲目の娘・お雪をはじめ、三人の子供を抱えた生活は苦しく、高利貸しや代言人(弁護士)の取り立てに、身ぐるみ剥がされてしまう。絶望した幸兵衛は一家心中を決意。切っ先を向けた子供たちを前に、ついに辛さあまって発狂。暴れる幸兵衛を、車夫・三五郎がなだめるところへ、剣術家の萩原良作の妻が訪ねてきて、乳呑み子の幸太郎に乳を与えようとすると、幸兵衛は幸太郎を奪い返し、そのまま駆け出し身投げする……。野次馬が囲む中、巡査の調べに応じているのは、命を取り留め、正気に戻った幸兵衛。これも水天宮様の御利益と、みなは喜び合うのであった。