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作品の表題
怪談牡丹灯籠
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役名
於(お)米の霊 およね
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コマ絵
二世 尾上菊之助の 新三郎
解説
一世を風靡した三遊亭円朝の口演を三世河竹新七らが歌舞伎化。
飯島平左衛門の娘・お露は、萩原信三郎に恋をしたが、父に許されず、焦がれ死にして幽霊となり、夜な夜な信三郎のもとに、牡丹灯籠をさげて通ってくる。その怪談に飯島家の忠僕・黒川孝助が平左衛門の妾・お国の密通を暴く筋と、萩原家の下男・伴蔵がお露の幽霊を脅して百両を取るという悪事の筋とをからませている。幽霊よりも怖い人間の業の世界が展開する。「カラン、コロン」という下駄の音を響かせ現れる、お露とその乳母・お米の二人の幽霊の怖さとおかしみも見どころ。本図はその初演で、五代目菊五郎が孝助と伴蔵の善悪両様、お米の幽霊の三役で主演し、大当たりをとった。