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作品の表題
忠臣いろは実記
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役名
清水一學(角)
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コマ絵
四世 尾上松助 牧山丈左衛門
解説
『忠臣蔵』の外伝の一つ。剣の腕を鼻にかけいつも酔っ払っている一角は、吉良邸用人の中でつまはじきもの。雪の夜、吉良邸用人の牧山丈左衛門宅に一角が酩酊状態で乱入。内蔵助が京都で放蕩三昧なことに安心して酒宴を開いているのに、一角だけは「討入りはある」と主張し口論になる。放り出された一角は、夫を亡くして出戻りの姉の待つ自宅に帰る。わずかな扶持で粗末な暮らし。こぼれた酒を這いつくばってなめる卑しい一角を姉は情けなくなって殴る。まもなく、いびきをかく一角の耳に山鹿流の陣太鼓が聞こえる(本図)。そこへ丈左衛門が現れ、一角に内通の嫌疑を掛け乱闘に。やがて疑いも晴れ、一角と丈左衛門は吉良邸に向かうのであった。