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作品の表題
島衛月白浪 (しまちどりつきのしらなみ)
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役名
明石の島蔵
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コマ絵
初世 市川左團次の 松島千太
解説
明治の新しい世相を描いた「散切物(ざんぎりもの)」の一つ。盗賊を描くのを得意として「白浪作者」といわれた河竹黙阿弥の作。主な登場人物はみな白浪(しらなみ:盗賊)であった過去を持つ設定にしているところに遊び心を見ることができる。2人組の盗賊・島蔵と千太は、東京は浅草の質屋に押し入り大金を盗んだが、島蔵は因果の恐ろしさを感じて改心し、神楽坂で酒屋を営む。千太はほれた芸者・お照が代言人・望月輝の愛人になっていることを知り、ゆすりに行くが、以前大泥棒であった輝の貫禄に負けて引き下がり、その仕返しの加勢を島蔵に頼む。島蔵は千太を九段の招魂社に呼び出し、心を込めた意見でついに改心させる。最後には全員改心するという構成が洒落ている。