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作品の表題
十二時会稽曾(曽)(我 じゅうにときかいけいそが)
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役名
曽我十郎
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コマ絵
九世 市川團十郎の 工藤祐経
解説
1193(建久4)年5月28日、曽我十郎祐成(そがのじゅうろうすけなり)と五郎時致(ごろうときむね)の兄弟が、源頼朝が行った富士の裾野の巻狩に乗じ、父の敵・工藤祐経(くどうすけつね)を討った仇討(あだうち)を物語の題材とし、能、文楽、歌舞伎はじめ様々な芸能で演じられた。それら一連の作品のことを「曽我物」と呼ぶ。歌舞伎では延宝年間(1673~1681)以降、曽我兄弟に取材した作品が続々と生まれ、宝永~享保年間(1704~1736)ごろはことに人気が高く人々に好まれた。本図はその一つで、仇討ちが行われた5月に演じられたと考えられる。江戸では各座、正月狂言として必ず新作の曽我物を上演する慣わしとなり今日まで続いている。