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作品の表題
早苗鳥伊達聞書(実録先代萩) (ほととぎすだてのききがき)
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役名
神並三佐衛門
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コマ絵
初世 市川左團次の 朝日奈弥太郎
解説
江戸時代、同時代の出来事を歌舞伎として描くことは禁止されていた。いわゆる「赤穂事件」が、室町時代を設定とした『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』となっているように、実際の事件は別の時代に置き換えられ、架空のストーリーとされた。明治になり、そういった江戸歌舞伎の制約を離れ、実在した登場人物を史実どおりの名で描く「実録物」が生まれた。万治・寛文年間、1660年から1671年にかけて仙台藩・伊達家に起こったお家騒動が、それまでは『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』という室町時代の事件として描かれたが、本作は、リアルに描かれることになり、通称『実録先代萩』と呼ばれている。本図はその初演である。