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作品の表題
佐野経世誉免状 (さののつねよ ほまれのめんじょう)
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役名
常世 (つねよ)
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コマ絵
九世 市川團十郎の 時頼
解説
能の一曲『鉢木(はちのき)』を歌舞伎にアレンジをしたもの。旅の僧が大雪にあい、みすぼらし民家に一夜の宿を求めたところ、見かねた夫婦は僧を招き入れ、大切な鉢の木(盆栽)を薪にしてもてなす。僧が主人に名前を尋ねると、御家人・佐野常世のなれの果てで、一族の者に領地を奪われ零落したが、もし鎌倉幕府に何かあった時には一番に参上して討死する覚悟だと話す。旅の僧は、実は幕府の執権・北条時頼であった。鎌倉に帰ったあと、時頼が諸国の軍勢に集合をかけると、常世は言葉通り一番に駆けつけたので、時頼は常世の領地を取り返して与え、また薪にしてくれた鉢の木にちなむ三カ所の領地を新たに与える。常世は感謝して引きさがり、はればれと帰っていく。