-
作品の表題
入間館劇場絵本
-
役名
おはつ
-
コマ絵
烏
解説
隅田川物と清玄桜姫物の世界に、さらに鏡山物(本図)をミックスした、通称『女清玄』(おんなせいげん)の一つと考えられる。姫君が尼僧となって破戒するという特異な作品。入間家の息女・花子の前は許婚の松若が死んだと聞いて剃髪し清玄尼となるが、その松若が実は生きていて妹の桜姫と祝言するので、煩悶のすえに破戒、松若を慕って流浪し、かねてから懸想されていた悪者・猿島惣太にくどかれ、それを拒んだために殺されるであった。鏡山物の概略は、武家の奥勤めをする局・岩藤と中老・尾上が確執の末、尾上は岩藤に草履でもって殴られる恥辱を受け、それにより尾上は自害。しかし尾上に仕える下女・お初は岩藤を討って主人の恨みを晴らすといった流れである。