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作品の表題
梅柳櫻幸染 (うめやなぎさくらのかがぞめ)
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役名
局岩藤 (つぼね・いわふじ)
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コマ絵
骸骨
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俳諧
加賀百万石のお家騒動を題材とした『鏡山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』では、召使いのお初が主人の中老(ちゅうろう)尾上(おのえ)を自害へと追いやった局(つぼね)岩藤(いわふじ)を討ち、その功により二代目尾上に取り立てられる。本図に描かれているのは、怪談物として描かれる後日譚で、野晒しにされていた岩藤の骨が寄せ集まって亡霊が現れ、生前の恨みを晴らそうとすることから、「骨寄せの岩藤(こつよせのいわふじ)」と呼ばれている。亡霊から元の姿に蘇生した岩藤が満開の桜の中を宙乗りするスペクタクルな見せ場と、リアティのある生世話の味とが巧みにミックスされ、歌舞伎のエッセンスが詰まった傑作として知られる。