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作品の表題
青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)
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役名
弁天小僧菊之助 (べんてんこぞうきくのすけ)
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コマ絵
三世 関三十郎の 日本駄右衛門
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俳諧
なつきくや いわもといんの ときのはな
(夏きくや 岩本院の 時の花)
解説
白浪五人男と呼ばれる盗賊たちの悪事を、一人ひとりの因果物語も交えて華麗に描いた、まさに歌舞伎を代表する作品である。武家の美しい娘に変装していた弁天小僧が見破られるや、肌脱ぎになり、入れ墨を見せて自らの正体を明かす場面。「知らざぁ言って聞かせやしょう。浜の真砂(まさご)と五右衛門が歌に残せし盗人の種は尽きねえ七里ヶ浜…」に代表される河竹黙阿弥の七五調の台詞が美しい。足の組み方や、煙管の使い方などの弁天小僧の動きや台詞回しは、一つの型となって完成されている。五代目菊五郎のために書き下ろされた演目で、本図はその初演を想定して描かれている。弁天小僧は当時19歳であった菊五郎の代表作となり、生涯で6度も演じることになる。