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作品の表題
塩原多助一代記
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役名
塩原太(多)助 (しおばらたすけ)
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コマ絵
三遊亭円朝
解説
三遊亭円朝によって語られた人情話を三世河竹新七らが歌舞伎化。モデルとなった塩原太助(1743-1816)は、上州(群馬県)沼田から江戸に出て炭商として成功し、「本所(ほんじょ)に過ぎたるものが二つあり、津軽大名炭屋塩原」とうたわれた。浪人(主家を失った武士)の子に生まれながら、わけあって百姓の養父のもとで育てられた塩原多助。多助は、養父の死後、養母と女房の悪性のために、愛馬の青と別れてひとり江戸に出、炭屋で十数年の骨身を惜しまぬ奉公の末、独立し豪商になった。初演の五代目菊五郎は、実直な多助と悪党道連れ小平という対照的な善悪二役を演じ分け評判をとった。また、青との別れは全編中の見せ場として、その演出が継承されている。