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作品の表題
本調子糸音色(ほんちょうしいとのねじめ)
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役名
おまつ(祭)り佐七 さしち
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コマ絵
三世 澤村田之助の げいしゃ小糸
解説
四世鶴屋南北・二世桜田治助らの合作『心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)』の一幕。粋でいなせな鳶の左七と、気っぷのいい深川芸者の小糸。借金のためにひとつの夜着に二人で袖を通したことがきっかけで恋仲となる二人は、赤城家の家宝である小倉の色紙が家臣の山住五平太により盗まれて起こる悲劇に巻き込まれてゆく……。ここに描かれている、かっとなって小糸を殺してしまう佐七は三代目菊五郎の当たり役で、この設定は、孫にあたる五代目菊五郎に受け継がれ、1898(明治31)年、三世河竹新七によって『江戸育御祭佐七(えどそだちおまつりさしち)』(通称:お祭り佐七)にアレンジされる。江戸の気風に満ちた作品として現代でも人気がある。