-
作品の表題
土蜘(つちぐも)
-
役名
土蜘 (つちぐも)
-
コマ絵
初世 市川左團次の 保正
-
俳諧
夏引の手に繰り出すや蜘の糸
なつびきの てにくりだすや くものいと
解説
"能『土蜘蛛』を元にした河竹黙阿弥作の舞踊劇。尾上菊五郎家の「家の芸」を集めた「新古演劇十種」の一つ。五代目菊五郎が、祖父・三代目の三十三回忌の追善に演じた。
源頼光は病気療養中。侍女・胡蝶が薬を届けに来る。その後、比叡山の僧・智籌(ちちゅう=蜘蛛の音読み)が音もなく現れて、頼光の求めに応じ、諸国修行の有様を語る。そして、病気平癒の祈祷をするうちに、土蜘の本性を現す。土蜘の精は天下を魔界にしようと企んでいる。頼光が名刀を抜くと土蜘の精は葛城山に逃げ去るが、家来の平井保昌と四天王が後を追って退治する。本図にあるように、土蜘の精が次々に繰り出す糸(千筋の糸)の広がる様が見どころの一つ。"