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作品の表題
東花一座顔見勢 (あづまのはないちざのかおみせ)
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役名
将門 平将門
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コマ絵
九世 市川團十郎の 暫
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俳諧
請がよくなくてはならずあられ酒
うけがよく なくてはならず あられざけ
解説
悪人が善人側をおさえて、家来に殺させようとする危機一髪に、豪勇の英雄が「しばらく」との声と共に登場し、悪を懲らしめるという演出の型があり、これを『暫(しばらく)』と呼ぶ。江戸歌舞伎では、毎年11月、俳優たちが1年間の出演契約をしたお披露目をする「顔見世」で、ストーリーのなかにこの『暫』を組み込むのが一つの決まりごとであった。現在は『暫』のタイトルで独立した一幕として演じられることが多い。皇位に就こうとする将門が、反対する者たちの首をはねようとあわやとなったとき、「しばらく」の声とともに登場する館金剛丸照忠(たてのこんごうまるてるただ)。本図は悪役の将門を迫力いっぱいに、珍しい横からの構図で捉えている。