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作品の表題
御存白石噺 (ごぞんじしらいしばなし)
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役名
しのふ(信夫)
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コマ絵
八世 岩井半四郎の 宮城野
解説
1651(慶安4)年に起こった由比正雪による「慶安の変」に、奥州(宮城県)白石に伝わる百姓娘の姉妹が父の仇討をした話をからませた作品。悪代官・志賀台七(しがだいしち)に殺された父・与茂作(よもさく)の仇を討とうと、娘・信夫(しのぶ)は江戸・吉原で傾城(けいせい)・宮城野となった姉を訪ねる。信夫は父の死のようすを告げ、姉とふたりで廓を抜け出そうとするが、揚屋の主人・大黒屋惣六(だいこくやそうろく)は『曽我物語』になぞらえて姉妹の血気を戒め、宮城野の年季証文と大門の切手を与えて出立させるのであった。当時の吉原風俗を活写しているのが特色で、全盛の江戸傾城と東北なまり丸出しの田舎娘との対照が人気を呼んだ。