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作品の表題
廓文章 (くるわぶんしょう)
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役名
夕霧
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コマ絵
初世 中村宗十郞の 藤屋伊左衛門
解説
男女の恋心が織りなす上方歌舞伎の代表作。大坂・新町の扇屋(おうぎや)の遊女・夕霧(ゆうぎり)になじんで勘当された商家の若旦那・藤屋伊左衛門(ふじやいざえもん)が、師走のある日、うらぶれた紙衣(かみこ)姿で吉田屋を訪れる。夕霧が他の上客の座敷にいたと知り、その不実を怒った伊左衛門も、やがて夕霧の真情を知って心が解け、おりから勘当が許され身請けの金が運ばれるのであった。身なりは貧しくても大店の若旦那に相応しい品と色気にあふれる伊左衛門の和事(わごと)芸が中心で、恋にやつれた病鉢巻(やまいはちまき)の夕霧とのラブシーンなど、見どころは多い。夕霧もまた、最上位の遊女である太夫の品格と艶やかさが求められる大役である。