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作品の表題
月梅薫朧夜 (つきとうめかおるおぼろよ)
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役名
花井お梅
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コマ絵
四世 尾上松助の 箱屋峯吉(八杉峰三郎)
解説
花井お梅として知られる明治の芸者をモデルにしている。下総国佐倉(千葉県)に生まれ、9歳のとき江戸日本橋吉川町の岡田常三郎の養女となり、15歳で柳橋の芸者見習いとなった。一本立ちしてからは宇田川屋秀吉と改め、数々の浮名を流した。1887(明治20)年、実家にもどり、実父の名義で日本橋浜町に待合茶屋「酔月楼」を開業したが、実父と営業のことで意見が対立。番頭の八杉峰三郎が実父に加担してお梅追い出しをはかったことから、隅田川河畔で峰吉を刺殺。無期懲役の判決を受けたが、15年後、釈放。汁粉屋などを営んだが、女役者となり、芝居で自分の経歴を演じ続けた。河竹黙阿弥が歌舞伎化し、のちに川口松太郎の新派『明治一代女』などにもとりあげられた。