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作品の表題
松梅雪花三吉野 (あいじゅのゆき はなとみよしの)
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役名
菅丞相 (かんしょうじょう)
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コマ絵
九世 市川團十郎の 覚寿
解説
藤原時平(しへい)との政争に敗れた菅原道真(菅丞相・かんしょうじょ)の配流から、天神様として祀られるまでの物語を軸に、梅王・松王・桜丸の三つ子の活躍を取り込んだ傑作。『菅原伝授手習鑑』として知られ、本図は『道明寺』と呼ばれる格調高い場面。時平の陰謀で、太宰府に流罪となった道真は、船出を待つ間に伯母・覚寿(かくじゅ)の住む河内の道明寺に立ち寄る。ここには養女・苅屋(かりや)姫も匿われている。時平の命を受けた土師兵衛(はじのひょうえ)、宿禰太郎(すくねたろう)親子による暗殺の危機に直面した道真は、自らが彫った木像が身替わりになる奇跡によって難を逃れる。道真は、覚寿と苅屋姫との別離を惜しみつつ、夜明けに旅発つのであった。