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作品の表題
太功記(絵本太功記) (たいこうき)
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役名
明智十次郎
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コマ絵
五世 坂東彦三郎の 武智光秀
解説
明智光秀の謀反から最期までを描いた作品。当時の法規に触れないように、登場人物の役名は明智を武智(たけち)、織田信長を小田春永(おだはるなが)、羽柴秀吉を真柴久吉(ましばひさよし)としている。本図で描かれるのは、反逆者の悲哀と、若い男女の純愛を引き裂く戦の非情さを描いた「尼ヶ崎閑居(かんきょ)の場」で、「太十(たいじゅう)=太功記・十段目の略」として知られる。前半、光秀の子息で討死する覚悟の十次郎を、許婚(いいいなずけ)の初菊(はつぎく)、祖母の皐月(さつき)、母の操(みさお)が別れの悲しみを堪えて初陣へ送り出す。後半は、反逆者としての凄味と大きさをもった光秀の登場から始まり、その家族の悲劇的な結末を迎える。